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2009年6月

208と209

          僕が双子と一緒に住んでいた時のこと

     いろいろな事情があるもんだ

     問題は彼女たちがそっくりなこと

     区別がつきやしない

     髪の形も ホクロの位置も 歯並びも

     何から何までそっくりだ

     僕はロゴ入りのTシャツを買ってやった

     208と209

     これで少しは区別がついて落ち着くよ

     彼女たちは下着を着けていない胸を見せながら

     シャツを取り替えた

     「これでどう?」

     「僕はどうすればいい」

     「気にすることないのよ」と208のTシャツを着ていた209の子

     「いいんじゃない」と209のTシャツを着ていた208の子

     それもそうだな

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アイビューラー

いつもの通学バス

     バスが止まって 女の子が二人乗ってくる

     違う制服

     真面目そうな女の子と不良っぽい女の子

     いつも僕の前の席に座る

     真面目そうな女の子は窓の外を見ている

     不良っぽい女の子はカバンを探ってアイビューラーを取り出した

     バスが揺れても気にしない 一生懸命な君

     誰に見せるのかな?

     好きな男の子はいるのかな?

     バスが止まり 君は降りる

     君を追いかけて見ていると

     君は走りだして 手を振った

     僕は回りを見渡し 自分を指差した

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マスカラ

           見慣れない服を着て

     君は部屋を出ていった

     残された化粧品

     マスカラ

     アイシャドー

     アイブロー

     リップグロス

     ファンデーション

     マットワックス

     リムーバー

     コンシーラ

     チーク

     リップライナー

 

     君と付き合うまではその使い方を知らなかった

     でも 素顔の君が一番好きだった

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君のおかげで猫までなくしたよ

猫にエサをやるのは私の日課だった

     妻が駆け落ちしてからもそれは続けた

     探偵社から連絡が入った

     日帰りでいける場所だった

     三食分の猫の餌を準備して私は出かけた

  

     二階立ての小さなアパート

     出てきたのは髪を染めた男だった

     私はその男をおもいっきり殴って アパートを後にした

     自宅に帰ると猫の姿が見当たらなかった

     一週間たっても猫は帰ってこなかった・・・

     君のおかげで猫までなくしたよ

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